ハーネスとは? Strataなど6アプリの比較・選び方
モデルが文章を返すだけでなく、ファイルを調べ、編集し、テスト結果を見て次の作業を考える。その一連の動作を支える仕組みが「エージェント・ハーネス」です。このカテゴリでは、ハーネスを備えた、利用者が直接使えるアプリを紹介します。
公式資料の調査日: 2026年10月22日。以下は機能・接続方法を資料から整理した比較です。インストールや作業品質の実測比較は行っておらず、順位や性能保証を示すものではありません。
モデル・推論エンジン・ハーネスの違い
| 役割 | 担当すること | 見分けるポイント |
|---|---|---|
| モデル | 入力から回答やツール実行の指示を生成する | 学習済みの重み。モデル単体が直接PCを操作するわけではない |
| 推論エンジン/サーバー | モデルを読み込み、生成処理を行い、APIなどで応答する | Ollama・llama.cppなど。モデルを動かす側 |
| ハーネス | 会話の文脈、ツール実行、権限、結果の受渡し、作業の継続を管理する | 「調べる→実行する→結果を見る」をつなぐ側。単なるチャット画面とは異なる |
「ハーネス」は単一の製品規格ではなく、含まれる機能も製品ごとに違います。ひとつのアプリが複数の役割を持つ場合もあります。Strataは推論基盤と内蔵エージェントを備えるため、ハーネスとしての面と、他アプリへモデルを提供する面を分けて紹介します。Anthropicの技術解説も、ツール利用や文脈管理を備える実行基盤としてハーネスを説明しています。
6アプリを役割で比べる
| アプリ・個別記事 | 役割/使い方 | ローカル推論 | 導入直後の確認 |
|---|---|---|---|
| Strata | 推論エンジンと作業エージェントをまとめて用意したい | 内蔵エンジン。外部アプリへAPIも提供 | 対応GPU・メモリ条件、Manual/Plan/Bypass |
| LM Studio Bionic | 画面からコード・文書・ファイルの作業を頼みたい | Localを選ぶ。Remote/Cloudとは別 | 推論先、Allow coding、対象フォルダ |
| OpenCode | 推論基盤と作業用アプリを独立して選びたい | LM Studio・Ollama・llama.cpp等へ接続 | 利用中の版、操作のallow/ask/deny |
| Cline | 計画と実行を切り替え、承認しながら進めたい | Ollama・LM Studio等へ接続 | Plan/Act、自動承認の範囲 |
| Aider | ターミナルで対象ファイルとGit差分を見ながら修正したい | Ollama等へ接続 | 対象ファイル、文脈長、Gitの変更内容 |
| Goose | モデルと拡張ツールを組み合わせたい | Ollama・LM Studio等へ接続 | 既定の自律モード、拡張ごとの権限 |
LM Studio本体はモデル管理・チャット・API提供を担い、MCPツールも利用できますが、Bionicは別アプリです。「LM Studioが入っている」と「Bionicの作業エージェントを使っている」は同じではありません。LM Studio本体の公式資料とBionicの公式資料を分けて確認してください。
選ぶ順番
- 任せる仕事をひとつ決める。 コード修正、文書整理、調査など、最初に試す課題を小さくします。
- モデル実行側を決める。 内蔵エンジンか、既存のOllama・LM Studioなどかを選びます。モデルがメモリに収まるかはハードウェアガイドも参照してください。
- 作業権限と通信を確認する。 編集・コマンド・Web・追加ツールを分け、最初は必要な範囲だけ許可します。
- 同じ課題で結果を比べる。 単に応答したかではなく、差分が正しいか、テストに通るか、人の修正が何回必要かを見ます。
「ローカルだから安全」とは限らない
推論先と、操作できる範囲は別です。
ローカルモデルでも、エージェントにはファイルの変更やコマンド実行ができます。また、Web検索・MCP・外部APIなどを使えば端末外との通信が発生し得ます。承認機能は、OSやコンテナによる隔離と同じではありません。
ローカルモデルでも、エージェントにはファイルの変更やコマンド実行ができます。また、Web検索・MCP・外部APIなどを使えば端末外との通信が発生し得ます。承認機能は、OSやコンテナによる隔離と同じではありません。
- 最初は複製した作業フォルダを使い、認証情報や重要な原本を渡さない。
- モデル名と推論先を確認する。localhostのAPIでも、その先がクラウド推論の場合がある。
- 全操作の自動承認を急いで有効にせず、実行内容と差分を確認する。
- 外部の文書やWebページに含まれる命令を、作業指示として実行していないか注意する。
- 変更後にテストを行う。モデルの「完了しました」だけを完了条件にしない。
この比較で分からないこと
同じモデルでも量子化、コンテキスト長、ツール形式、アプリ側の指示で結果は変わります。本調査だけでは最速・最高品質のアプリは決められません。価格、対応OS、インストーラー、機能は更新されるため、導入時には各記事末尾の公式資料で再確認してください。